【書評】『一億人の英会話』大西泰斗(著) 『一億人の英文法』のエッセンスが詰まった一冊
日本人は、なぜ英語が喋れないのでしょうか? どうすれば英語が話せるようになるのでしょうか?
英文法の本でベストセラーといえば、『一億人の英文法(2011年9月刊)』が有名ですが、今回はそのエッセンスが詰まった『一億人の英会話(2020年8月刊)』をご紹介します。
長年、英語指導に携わっている大西泰斗先生は、「日本人はどうすれば英語が話せるようになるのか?」という問いに対して、
本のオビで「これが私の解答です。 」と、非常に頼もしい言葉を仰っています。以下、本書の冒頭で紹介されている特徴を3つご紹介します。
特徴1.最も合理的・汎用的な「話すため」の基本例文
「何を」練習するかが極めて重要として、厳選された 473例文 が収録されています。書籍に記述してあるパスワードを使えば、東進ブックスの該当ページから無料で音声をダウンロードできます。
CHAPTER 1 基本文型【計60文】
CHAPTER 2 基本文型の拡張【計108文】
CHAPTER 3 リポート文・命令文・there文【計52文】
CHAPTER 4 修飾配列・ 説明ルール【計136文】
CHAPTER 5 修飾配列・ 指定ルール【計56文】
CHAPTER 6 疑問文【計61文】
〈巻末〉例文一覧(左頁に全例文をアルファベット順に配列/右頁に日本語訳)【全473文】
※ 音声はチャプター毎に分割されています。例文ごとにファイルが分かれていない点は、ちょっと残念に感じる人も多いかもしれません。
特徴2.語順・配列の全パターン(全64文型)を収録
この本で、一番強調されているのが、
語順(表現を文中に置いていく順序)の大切さ
です。英語は「配置のことば」であるとし、5つの基本文型とその派生・変形が紹介されています。
取りあげられている文型は「全64文型」。各文型ごとに詳細な解説と、複数の例文が用意されています。
※ ただ、仮定法や難しめの文型は省かれています。英文法を完全に網羅ではなく「まずは、汎用性の高い、この64文型をマスターしましょう」という感じだと思います。
特徴3.全例文を覚えれば英語が話せるようになる
全例文を覚えるために、
徹底的に何度も音読し、何も見ずに「暗唱」できるように
なることが推奨されています。自分も3ヶ月取り組みましたが、暗唱できるようになる為に便利なのが、東進ブックスStoreのアプリです。
iOS版・Android版どちらもあります。確認テストで、文章の「並び替え問題」があるのですが、これが良いアウトプットトレーニングになります。まずは書籍を購入してみて、気に入った方は、有料ではありますがアプリも購入することをオススメします。
以上、簡単ですが特徴をご紹介しました。ちなみに、『一億人の英会話(2020年8月刊)』では、良くも悪くも『一億人の英文法』のここを参照してくださいなどの記述は一切ありません。
『一億人の英文法』を持っていなくても全然問題ないですが、『一億人の英文法』をやり込んでいる方には、本のタイトルは似ているのに関連性が薄い点は物足りないかもしれませんね。
また、3月29日から新しく始まったNHK「ラジオ英会話 ハートでつかめ!英語の極意」のテーマが、英文法のマスター。
語順の観点から英文法を解説していくとの事で、今回ご紹介した『一億人の英会話』とかなり内容が近く、良い復習・応用となりそうな印象です。
・・・大西先生は非常に分かりやすいので、このブログでも取り上げることが増えてきましたね(^^)
それではまた。[更新No.046] 2021/03/30