孫正義メソッド満載『超高速 PDCA英語術』トライズ代表・三木雄信(著)


ソフトバンク孫正義社長の右腕として長年活躍されていた著者の三木雄信さん。現在は独立して、コーチング英会話の1年英語マスタープログラム「トライズ」を運営されています。

三木さんは、数多くのビジネス書も出版されていますが、英語関係の本もかなり良かったので、今回『超高速 PDCA英語術』をご紹介したいと思います。

本書は、出版でありがちな「自社のサービスの宣伝が主目的」の本でなく、英語学習に有益なメソッドが紹介されていて参考になります。

孫正義メソッド満載『超高速 PDCA英語術』トライズ・三木雄信(著)

ちなみに、三木さんのビジネス書でのイチオシは『孫正義社長に学んだ「10倍速」目標達成術』。英語学習のPlan、目標設定にも役立つ一冊ですよ。

「英語運用力」= 聞く力、即座に応答する力

孫正義メソッド満載『超高速 PDCA英語術』トライズ・三木雄信(著)

こちらは、本のオビの裏面画像ですが、これまでの「読む力・書く力」といった【単語・文法中心の「英語力」】ではなく、これからは【聞く力、即座に応答する力である「英語運用力」】が必要との事。

自分もそうですが「読む、書く、話す、聞く」の中で、一番欲しい能力・必要だと思う能力が「話す」と言う人は多いのではないでしょうか? そして、話すためには「聞く」こともできないとダメですよね。

TOEICテストで言えば、受験者が多いTOEIC L&R(リスニング・リーディング)、受験者が少ないTOEIC S&W(スピーキング・ラインティング)の2種類がありますが、どちらか片方ではなく、L(リスニング)・S(スピーキング)が重要ということですね。

孫正義メソッド満載『超高速 PDCA英語術』トライズ・三木雄信(著)

どうやって「英語運用力」を高めたら良いのか? その方法として、

1.1年間で1000時間をやり切る
2.シャドーイングと超高速英作文に特化
3.PDCAを回し続ける

ことが提唱されています。

1.についての補足。1年で1,000時間(60,000分)を365日で割ると、1日約2時間44分(164分)と忙しい社会人にとっては、かなりハードルが高い数字です。

ただ、131ページでは、 どんなに急がしくても週に12時間以上は学習することが “英会話をマスターできる人の「習慣」” と紹介されています。1年約52週+12時間=1年で624時間と考えると、1日約1時間42分(102分)となるので、この学習時間を最低ラインと考えると良いでしょう。

これなら、なんとか捻出できる人は多いと思いますし、逆に「週12時間も英語学習に時間を避けない!」と言う方は、今は英語学習に手を出さない方が良いと思います。

2.についての補足。シャドーイングは、聞こえてきた音声のすぐあとを影のように追って同じ音声を発する、有名な学習方法ですね。

三木さん流では、教材として「映画」が推奨されています。シャドーイング実践時に重要なのは、スペルとの紐付けなので、スクリーンプレイなどのテキスト教材は必須だと思います。(スクリーンプレイの例.『プラダを着た悪魔 再改訂版』本)

▼ 三木さんがシャドーイングについて語っている動画

続いて、「超高速英作文」とはなんでしょうか? これは、一般的には「瞬間英作文」と言われていて、いちばん有名な本は『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』でしょう。以下の動画では、「超高速英作文(フレーズ暗記)」と表記されていますね。

▼ 三木さんが超高速英作文について語っている動画

3.のPDCAについては、この本のタイトルにもなっていますね。

Plan 計画、Do 実行、Check 検証、Action 改善

孫正義メソッド満載『超高速 PDCA英語術』トライズ・三木雄信(著)

Plan(計画):ゴールを明確にし、ロードマップを描く
Do(実行):シャドーイングと超高速英作文を徹底的にやる
Check(検証):VERSANTで進捗度合いを確認
Action(改善):学習のカベを乗り越える改善策をとる

PDCAの細かいやり方は、本書で確認して頂きたいですが、三木さん流の特徴としては、TOEICや英検ではなく、VERSANTのスピーキングテスト(日経経済新聞社・ピアソン)で、実力をチェックするという事。

たしかに、所要時間20分、パソコンやスマホアプリで受験できて結果もすぐに出るとの事で、かなりお手軽です。他のテストでも良いと思いますが、一番大事な点は、定期的にスピーキングテストで、自分の実力をCheckすることですね。

本書のポイントとしては上記でご紹介した通り、「シャドーイング」「超高速英作文(瞬間英作文、フレーズ暗記)」を徹底的にやる事。単語学習や、発音については、かなり思い切った割り切りが提唱されています。

三木さんが運営する、コーチング英会話のトライズ 【全額返金保証】トライズなら1年で英語が身につく3つの理由 は、ダイエットで言えばライザップ形式で効果は高いと思いますが、なかなか高額なので、気軽に契約する人は少ないかもしれませんね。

本書で紹介されている内容は、トライズなどの有料サービスに契約しなくても自分で実践でき、非常に参考になる内容となっています。

本は非常に安い自己投資なので、少しでも興味を持った方は、ぜひ『超高速 PDCA英語術』をチェックしてみて下さい。

自分は現在、毎日「NHKラジオ英会話」に取り組んでいますが、2022年の4月からは本書で取り上げられていた「VERSANT スピーキングテスト」と「シャドーイング(映画:プラダを着た悪魔)」を実践予定です。このブログで追ってレポートしたいと思います。

それではまた。[更新No.049] 2021/12/31