英語の発音が正しくなる・よくなる・完全教本。「DVD付発音本」の徹底比較!
今回は、英語の発音力アップに役立つDVD付の本を比較してみたいと思います。取り上げるのは、『DVD&CD付 日本人のための英語発音完全教本』・『DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本』・『英語の発音が良くなる本』という、DVD付発音本の御三家(?)です。
唇や舌の動きは、以下のアメリカ・アイオワ大学の無料サイトでも確認できますが・・・
http://www.uiowa.edu/~acadtech/phonetics/english/english.html
より理解を深める為に、日本人向けの発音DVDを一つは持った方が良いと思います。いろいろ比較した結果「絶対コレがおすすめ!」というイチオシの一冊を以下でご紹介しているので、参考にしてみて下さい。
なお、各書籍にはDVD以外にCDも付いてますが、この記事ではメインの「DVDの内容」に絞って比較しています。それでは、発売日が古い順に見ていきましょう。
『【1】英語の発音がよくなる本』 巽 一朗(著) 2005年3月
まず一冊目に取り上げるのは、NHKテレビ「ミニ英会話 とっさのひとこと」にも出演されていた、巽一朗さん著の『【1】英語の発音がよくなる本』。一言でいうと、
発音記号ごとに「口元」がハッキリ確認できる!
内容です。以下、DVDの画面を見ていきましょう。
▼ 登場する先生は、ミス・アッシリィ・M・トーマスさん。アメリカのテレビ番組で活躍する歌手の方との事で、発音はアメリカ発音です。
▼ 「第3章 子音」選択時のシンプルな画面。
▼ 発音記号を選ぶと、本と同様の「唇・舌の解説図」が表示されます。
▼ 発音の口のアップが、「正面」続いて「横から」流れ、単語が1つだけ発音される構成。口元がアップされて分かりやすいです!
▼ なお、発音記号によっては、発音記号を選んだ直後に3割ぐらい(?)の確率で解説がある場合があります。残念なのは、この解説がやや長い点。。もっと簡潔にして欲しかったですし、解説を入れるなら、全発音記号にあると良かったなと。
▼ 「第4章 区別」には、まぎらわしい発音の区別が23ペア掲載されており充実していますが・・・
▼ 「ad」「odd」「bland」「blond」「cap」「cop」など、発音記号パターンA・パターンBが次々に発音される構成ですが、途中から「これはどっちの発音記号なの?」と混乱します。う~ん、発音記号が無くて分かりづらい・・・。
ちなみに、以前のブログ記事で、30冊以上の英語学習本を読みあさったとお伝えしましたが、著者の方でこの「『英語の発音がよくなる本』で発音を勉強しました。」と語る著者は多かったです。
書籍には、「発音上達のコツ」などが書いてあっていろいろ参考になると思いますが、DVDについては「発音時に、発音記号が無い」など不満点も多く、正直あまりオススメできません。2005年の発売当時は画期的な「DVD付きの一冊」だったと思いますが・・・。
『【2】DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本』 鷲見 由理 (著) 2008年5月
続いて、上記書籍の約3年後にナツメ社から発売された『【2】英語の発音が正しくなる本』について。本のタイトルが似てますが、「発音がよくなる本」じゃなくて、こちらは「正しくなる本」ですね。一言でいうと、
ポイント付きで、発音記号ごとに「口元」がハッキリ確認できる!
内容。こちらもアメリカ英語です。
▼ DVDのタイトルと、「子音1~8」を選んだ時の画面。
▼「子音1」を選んだ画面。質素な画面ですが、「ポイント」がしっかり掲載されています。
▼ 各発音毎に、2・3ポイントぐらいの「簡潔なアドバイス」があって分かりやすいです!これは本と同じ内容ですが、本が手元になくてもDVDのみで学習できるのは嬉しいです。
▼ 発音の口のアップが、「正面」続いて「横から」流れます。このDVDも、口元が分かりやすいです!
▼ 続いて、単語が4つほど発音されます。ペースもゆったり目、発音記号もあって、初心者にも分かりやすいです! 発音は、ルースアン・森住さんという日本語も堪能な方が担当されてます。
▼ DVDメニューにある「間違えやすい母音の発音」・ 「間違えやすい母音の子音」コーナーだけは、別の方(ソネス・スティーブンスさん)が担当。
▼ 画面に発音記号が表示されているので、非常に分かりやすいです。
1冊目に取り上げた『【1】英語の発音がよくなる本』とは出版社も著者も異なりますが、おそらく、いろいろ参考にされたのでしょう。約3年後に発売された本だけあって、各発音時に発音記号表示があるなど充実の内容です。
はっきり言って『【1】英語の発音がよくなる本』より、こちらの『【2】英語の発音が正しくなる本』の方が、DVDの内容が10倍ぐらい良いと思います。2014年11月現在、Amazonでもベストセラー発音本となってますが、管理人もイチオシです!
『【3】DVD&CD付 日本人のための英語発音完全教本』 竹内 真生子 (著)
最後に、『【3】日本人のための英語発音完全教本』について。『【2】英語の発音が正しくなる本』の約4年後に発売された後発の本だけにどんな進化があるのか、期待してチェックしてみました。 一言でいうと、
アメリカ英語と、イギリス英語の違いが分かる!中上級者向け!?
といった内容です。本はかなり大型の本で、3,500円以上と値段も高いです。オールカラーで見やすいですが、まるで医学書のような内容。
▼DVDメニューはこちら。アメリカ英語だけでなく、「イギリス英語の発音もある」のが大きなポイント。
▼ アメリカ英語とイギリス英語の違いを知りたい方には、役立つ箇所も多いです。
▼ 各発音記号ごとに手話のようなジェスチャーが付いてますが、正直よく分からないものが多い印象・・・。
▼ 発音の口のアップ「正面」・「横から」が同時に表示される構成。単語は発音記号付きですが、各単語の発音ペースは早めで、初心者にはキツイかも。
▼ アメリカ英語の先生が2人、イギリス英語の先生が2人です。
▼ なお、「10分間のエクササイズ」もありますが、う~む、内容はちょっと評価不能です。中上級者には役立つかも?
あ、分かりやすいPR動画(約6分)もありました!
この『【3】日本人のための英語発音完全教本』のDVDや書籍の内容は、正直「中上級者向け」の内容だと思います。
「アメリカ英語を習得した人が、イギリス英語を学ぶ(またはその逆)」には良いと思いますが、初心者の方には「アメリカ英語ではこう、イギリス英語ではこう」という比較が、逆に混乱を招くと思います。
『英語の発音が正しくなる本』+英語発音でトレーニング
3冊ともAmazonでなか見検索できるので、本の目次や構成については、じっくり確認されると良いと思います。当ブログでは、英語発音DVDの出来の良さから『【2】 英語の発音が正しくなる本』をイチオシしたいと思います!
ただ、発音に関してはこれ一冊だけあればOKという訳では無くて
発音DVDと、いろいろな発音本を組み合わせて使う!
ことを推奨します。
市販の発音本の中では、『オバケの英語』・『世界一わかりやすい 英語の発音の授業』が分かりやすいと思います。
具体的な例で言うと、今回イチオシした『英語の発音が正しくなる本』には、「唇をかむ」という表現がありますが・・・
とにかく日本の英語教育でまことしやかに言われている”噛む”という発想を一度捨てた方がいい。thは噛むんじゃない。上下の歯の間から舌先を出すだけなんだ [オバケの英語 P68]
「噛む」のではなく「遮断」する (中略)歯と舌とくっつけっぱなしにするイメージを持ってください。 [世界一わかりやすい 英語の発音の授業 P92]
という箇所など、説明が分かりやすいです。本気で発音力をアップされたい方は、買って損はないと思います。
ただ、「発音記号[f]に関してはAという本。発音記号[s]はBという本が良い。」という感じで、「発音記号もこれ一冊あれば完璧!」というバイブルとなる発音本は見当たらないと感じました。
発音については『英語の発音が正しくなる本』のDVDで唇や舌の動きを確認しつつ、『オバケの英語』などの発音本の良書を複数冊購入して「各本の良いところどり」をする事が良いという印象です。
管理人もまだまだトレーニング中ですが、オススメの発音本などは、今後もブログで取り上げたいと思います。
それではまた。[更新No.005] 2014/11/15