【書評】『50歳から始める英語』The BBB編集長・清涼院流水(著) 楽しいから結果が出る「正しい勉強法」74のリスト【レビュー】


今回は、TOEIC L&Rテストで990満点を五回達成した、作家の清涼院流水さんの英語学習書『50歳から始める英語』をご紹介します。「発売即重版決定」で、セールスも好調のようです。

書評『50歳から始める英語』清涼院流水(著) 楽しいから結果が出る「正しい勉強法」74のリスト レビュー

[更新日:2020/09/29]

1996年に第2回メフィスト賞を受賞し、ミステリー作家としてデビューした清涼院流水さん。2019年現在は、作家の英語圏進出プロジェクトThe BBB: Breakthrough Bandwagon Books」編集長であり、数々の日本人作家の小説・ビジネス書の英訳者でもあります。

The BBB(作家の英語圏進出プロジェクト)

*以下、引用部の太字・色付けは当ブログにて設定しています。

【内容紹介】

生まれてこの方ずっと身近にある外国語は英語。
なのに字幕なしで映画鑑賞はおろか海外旅行での簡単な会話すらままならず、諦め続けている人は多い。
しかし英語を習得するなら時間とお金に余裕があり経験豊富な50歳からがいい。
この期に及んで同時通訳を目指したり欧米企業に勤めるわけじゃない今だからこそ、誰からも強制されない英語学習は楽しく、人生をも豊かにする。
TOEICテストを活用すれば自らの成長を数値化できてさらに愉快。
今すぐ無性に英語を始めたい! という人に贈る〝人生100年時代〟の正しい英語勉強法。

(幻冬舎公式サイトより)

本書は副題にもあるように

結果が出る「正しい勉強法

が学べる一冊です。「正しい勉強法とは、具体的にどういう事か?」は後述しますが、まずは巻末にある勉強法チェックリストをご紹介します。

英語勉強法チェックリスト『50歳から始める英語』清涼院流水(著) 楽しいから結果が出る「正しい勉強法」74のリスト

全74個のチェックリストは「初心者向け(16個)・中級者向け(33個)・上級者向け(25個)」と3項目に分かれています。

全体的に、初級者から上級者まで幅広い読者に役立つ一冊になっていますが、「英語に興味はあるけど、自分には無理だろうな」と感じている人には、第1章が特に役立ちます。

【目次】

まえがき

第1章 “できない”思い込みを捨て、始めた者勝ち

第2章 では、どう学べば良いか

第3章 成果を劇的に高める、ちょっとしたコツ

第4章 TOEICを賢く活用する方法

第5章 永遠に成長し続ける高みへ

あとがき

全体的に学習者目線で「励みになる言葉が多い」のが特徴。69ページの「結果が出なくても悲観しないヒント」は著者が「道に迷った時には何度でも読み返していただけると嬉しい」と語っている、気持ちが入った内容なのでぜひチェックしてみて下さい。

何歳からでも、永遠に生きるかのように学ぶ

年齢を重ねるごとに「今さら英語を勉強しても遅い」と思いがちですが、

Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.

明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学びなさい

(マハトマ・ガンジーの名言)

本書で紹介されてる名言のように「永遠に生きるかのように学ぶ」ことを実践したいですね。

50代の今、無性に英語を始めたい。 清涼院流水 書評 50歳から始める英語 本の紹介 レビュー

また『50歳から始める英語』というタイトルではありますが、

本書では、わかりやすい指標として「50歳」と掲げていますが、あなたが40代以下でも60代以上でも、本書のメッセージは、なにも変わりません。

(P4 「はじめに」より)

本書で提案されている勉強法は、年齢に関係ない「原理原則」とも呼べるものが中心なので、20歳でも70歳でも本書から得るものは多いと思います。

正しい勉強法とは何か?

では、本書で推奨されている「正しい勉強法」の一部をご紹介したいと思います。

英語学習だけでなく、これは、ありとあらゆる学習に当てはまる話ですが、「わからないことにぶつかったら、わかっているところまで必ず戻る」という鉄則です。

(P52 項目「効果を出し続ける学習法の絶対ルール」より)

英語学習というのは、つまるところ、「おぼえている英単語を増やし続け、きちんと理解できていない英文法を減らし続ける」ということに尽きます。

(P74 項目「英単語と英文法の正しいおぼえ方」より)

英語に限らず、すべての言語には「自分で発音できる単語は聴き取れる」という絶対法則があるため、スピーキングのためだけでなくリスニングのためにも、発音の仕組みを知っておくことは意味が大きいのです。

(P81 項目「発音のコツは、意識するポイントを知ること」より)

赤ん坊の成長はゆっくりで時間がかかるように、語学学習の赤ん坊である初級者ほど、ゆっくり、丁寧に基礎を学ぶ必要があるのだと、実体験から、しみじみ思います。

(P163 項目「英語の学習法は、ほかの外国語にも適用できる」より)

という感じで、実にまっとうでスタンダードな学習法です。

ラクな学習法や英語教材を探していた方は、少しガッカリされたかもしれませんが、そんな人に向けて著者はこう語っています。

もし本当に究極の英語教材(あるいはダイエット法)が存在するのなら、それ以外は、すべて淘汰されるはずです。そうならないのは、劇的に効果のある教材など、そもそも存在しないからなのです。

(P48 項目「英会話スクールも高い英語教材も不要」より)

紹介されている数々の「正しい勉強法」は、

努力がムダにならず、着実に積み上がる勉強法

と言えると思います。正攻法の学習法が中心ですが、第3章の「成果を劇的に高める、ちょっとしたコツ」などで学習効果を高める実践的なコツも多数掲載されています。

ただ、英語学習中の自分も体感中ですが、日本語と英語は、言語としての距離が遠い(発音や文法などが大きく異なる)ことにより「英語の習得にはどうしても時間がかかる」ことは避けられません。

個人的には「英語をまったく勉強しない」ことは、これからも多くの日本人にとって有効な選択肢だと感じますが、「英語がしゃべれるようになりたい」「海外旅行をもっと楽しみたい」「外国人に道案内したい」などと、思っている方も多いでしょう。

英語への興味がゼロではない」、少しでも学ぶ意欲がある方には、正しい勉強法を学べる本書をオススメしたいと思います。

今回は取り上げませんでしたが「TOEICの賢い活用法」も掲載されていますよ!

清涼院流水さんのYouTube動画

英語のスピーキング動画ではないですが、流水さんの本格歴史長編2作、『ルイス・フロイス戦国記 ジャパゥン』(幻冬舎)&『純忠 日本で最初にキリシタン大名になった男』(WAVE出版)の刊行記念イベントの様子が、YouTubeにアップされています。

▼ 2019年4月には『50歳から始める英語』刊行記念イベントが開催されました。

【幻冬舎大学】大人のためのカルチャー講座 “人生100年時代”の逆襲の英語学習法 清涼院流水
>> 【幻冬舎大学】イベント詳細

J-CAST BOOKウォッチさんでも、『50歳から始める英語』が紹介されています。

>> 英語を受験せずに京大合格した推理作家の驚異の英語勉強法

それではまた。[更新No.038] 2019/03/31